「保食神」ってなんと読む?「ほしょくがみ」ではありません!

明日・3月30日は『スポーツ栄養の日』という記念日です。

アスリートにとってバランスの良い食事は、

「主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品」の「6種類」をそろえることから、

3月30日を「3+3+0=6」…ポイントとなる「6」を包括する日、と見立てて、スポーツ系の新聞社が制定した記念日になります。

スポーツに携わる方やアスリートのみならず、

栄養を摂取するための「食」は、大変重要ですよね?おいしさだけでなく、栄養バランスにも注目してみてくださいね。

本日は、「食」という漢字を使った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「保食神」ってなんと読む?

「保食神」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「日本神話に登場する、食物をつかさどる女神。」の名称です。

<使用例>

「日本神話の中でも、月読見尊(つくよみのみこと)と保食神のエピソードはとても面白いのよ。」

読み仮名7文字です。
読み仮名7文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 保食神(うけもちのかみ)です。

「うけ」は「食べもの」を意味し、これを「保つ」ことをつかさどる神で、「保食神(うけもちのかみ)」です。
「うけ」は「食べもの」を意味し、これを「保つ」ことをつかさどる神で、「保食神(うけもちのかみ)」です。

『日本書記』に登場するこの女神のエピソードでは…

天照大神(あまてらすおおみかみ)の命で「保食神(うけもちのかみ)」に食物を求めた月読見尊(つくよみのみこと、天照の弟神)が、

この女神が自らの口から食物を出して料理をしてさしあげたのを見て「汚い」と怒り、

なんと、この女神を殺してしまった。女神の死体からもさまざまな食物が生まれた。

…という神話が残されています。

「天照大神(あまてらすおおみかみ)」は大変有名ですが、

大人の知識として、日本神話の他の神々についても知っておくと、知的な話題として面白いかもしれません。

特に、天照(あまてらす)と、2人の弟・月読(つくよみ)、素戔嗚(すさのお)に関しては、

それぞれの性格と関係性などが、大変ドラマティックですよ。

少女漫画界の重鎮・山岸涼子氏の作品『月読(つくよみ)』等をあわせてご覧になるのもおすすめです。

さて、2問目に参りましょう。

【問題2】「卜食」ってなんと読む?

「卜食」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:神話の時代の日本の、「亀卜(きぼく)…亀の甲を焼き、裂け目で吉凶を占った方法」の、「裂け目」のことを指す言葉です。

<使用例>

「亀卜は『きぼく』と読むけれど、『卜食』では読み方が変わるのね。」

読み仮名4文字です。
読み仮名4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 卜食(うらはみ)です。

※「うらばみ」と読む場合もございます。

「食む(はむ)」という読み方については、本連載の過去シリーズでもおさらいしましたが、「卜食(うらはみ)」、正解できたでしょうか?

「うらない」を表現する熟語に「卜占(ぼくせん)」があり、「卜」も「占」も「うらなう。うらない。」を意味します。

有名アナウンサーの苗字にも、読み方の難しい「水卜(みうら)さん」がいらっしゃいますが、

「卜う(うらなう)」という字の「卜(うら)」です。

神話の時代は「亀卜(きぼく)」が重要な神事のひとつであったため、その「侵食された亀裂」を表現した「ト食(うらはみ)」という言葉が残っているのですね。

…日本神話の時代を訪ねるような日本語にフォーカスした2問、いかがでしたか?

*** 

本日は、3月30日『スポーツ栄養の日』のトリビアと合わせ、「食」という字の入った、日本神話の時代を訪ねる日本語から、 

・保食神(うけもちのかみ)

・卜食(うらはみ)

などについておさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『日本大百科全書(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/『自薦作品集 月読』山岸涼子著(株式会社文芸春秋)/『アスレシピ』ウェブサイト(株式会社日刊スポーツ新聞社)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト
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ILLUSTRATION :
小出 真朱